養殖ブリ 生産フロー

養殖段階から出荷段階までの物の流れ

鹿児島県産養殖ブリ・カンパチトレーサビリティ基本構想書から

養殖段階の流れ

次のように3種類のブリ養殖業者がいます。

(a)馴致専業 もじゃこ採捕可能な地区(たとえば、豊後水道)で、採捕したモジャコを陸に接した生簀に入れ、休むことなく配合飼料を与えて100g/尾程度まで成育させる業者。夏に養殖業者に引き取られる。
(b)中間魚育成 冬場水温の低い瀬戸内海のブリ養殖業者は、夏にモジャコを仕入れて年末に中間魚として出荷します。
また、瀬戸内海の養殖業者向けに中間魚を育成する業者がいます。冬を越してから中間魚を瀬戸内海に移送します。 飼育期間が短いため、リスクが減少し換金までの期間が短縮でき、設備を効率的に活用できます。
(c)成魚育成 夏にモジャコを仕入れて、翌年末まで飼育して出荷します。場合によっては、翌年夏以降に出荷します。
あるいは、年末、翌年春から夏に中間魚を仕入れて、年末まで飼育して出荷します。

 図をクリックすると拡大されます。

経営体数の減少に伴い10m角生簀に換算して5~10台程度を所有する中小業者と数10台から数100台を所有する大規模業者に二極化しています。大規模業者は成魚育成でコスト低減をめざします。中小業者は独特の品質の養殖魚を育成するか、中間魚育成等に特化しています。

モジャコの馴致

近海で採捕されたモジャコは生簀(海水温は18℃以上)に収容し、終日、配合飼料を与えて100g/尾程度まで成長させます(馴致=餌付け)。 接岸している生簀の場合、給餌作業は女性も従事可能です。そして、成長すると活魚船で養殖業者に引き取られます。モジャコ採捕から馴致して販売する業者の例はこちら

モジャコの飼育

100g/尾程度に成長したモジャコを生簀に収容し、配合飼料を与えながら育てていきます。

 

毎朝、生簀の底に置いた丸い網を揚げて生簀底に沈んだ斃死魚の有無を観察します。斃死魚は浮くこともあります。斃死魚があったときには回収して腹を割き斃死原因を推定します。

原因を特定できないときには、斃死魚を研究機関に持ち込んで意見をききます。斃死魚は海に捨てることなく陸に運び、処理施設で処理します。